福岡市在住の会社員、Nさん。
「家族のコミュニケーション」を
生みだすような、ちょっと工夫のある
オリジナルの本棚をつくりたい、
と思い立ちました。
きっかけは、中学3年生になった娘さんが
めっきり口を聞いてくれなくなったこと。
「年頃の女の子なんてそんなものだよ」
周囲の人はみなそう言うものの、
ずっと仲の良かった娘とコミュニケーションが
とれないのは、なんとも寂しいものでした。
さらに、気づけば、中学一年になった息子も
部活や友だちとのつきあいに忙しく、
妻は妻で忙しい。みんなが互いのことを
話し合う場面がめっきり減っている・・・。
そこで、みんなが集まれる場所をつくれないか
と考えたのがきっかけだったそうです。
「家族が集まる本棚があればなあ、と思ったんです。
みんな趣味はバラバラだけど、それぞれ、本なり
マンガなり、読みます。だから、本を並べる場所が
家の中に必要です。そのとき、並べるだけじゃなくて、
そこにそのまま座れて、お互いに何を読んでるかを
感じあえる場所があればいいんじゃないと思ったんです。
何読んでるの?って話しやすいし。
あと、お互いが何を読んでるかを見ること自体が
ちょっとした会話みたいなものじゃないですか
「そんなとき、たまたま友人の紹介で、
脊振の佐藤さん家族と出会いました。
そして、自分が家族とのコミュニケーションに悩んでることや
本棚をほしいことを話したら、
それ、つくっちゃえばいいじゃん!と言うんです(笑)
そこから、オリジナルの「家族が集まる本棚」を
つくるための木を、山の中で切らせてもらいました。
人生初の「木を切る」だったので、本当におもしろかったし、
何十年も生きて来た木を、ほんのちょっとの時間で切り倒す
その重さみたいなものも感じることができました。」
(第2回目につづく)